August 22, 2007

夢追い人

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東京駅内の某改札。

その中でてきぱき働くおにいさんは私の25年来の親友だ。

ものごころ付いたときから、君の夢は変わらずただひとつ。


鉄道マン。


君はチビの頃からあきれるほど電車が好きだった。幼稚園から帰ると連日のようにプラレールして遊んだ。

小学校の頃、家の裏に新しい駅ができた。毎日電車が止まるといって大喜び。寝ていても、ガタンガタンという音で何両編成かを言い当てた。

高校の頃は自分で撮った電車の写真が鉄道ファンという雑誌に載ったというのを見せられた。見事だった。

大学の頃もわたしの青春18切符の一人旅を完璧なまでにコーディネート。その企画会議のとき、わたしが時刻表の適当なページをひらいてそこに書いてある聞いたこともないローカル線の名前を言い、君が何県のどこを走る線かを当てる「路線当てゲーム」で君は一度も間違えなかった。


夢を模索しながら留学を果たし、視野を広げて帰ってきて、就職した先は一般企業。ものわかりがよくなっちゃったのか、大人になっちゃったのか、激務に耐える君を見てちょっと寂しく思ったりもし、社会人ってこういう事だよなと納得したりもした。

しかし君はやっぱり少年だった。夢はくすぶっていたが、火種は確かに燃え続けていたんだね。温床を捨て、再就職活動は茨の道。君は長いこと苦しんでいたが、決して諦めなかったし、わたしは確信していた。いろんな遠回りに見える道が君を育てていた、そのベクトルを君はひとつの方向に向けるだけの情熱を持っていたからね。そして27歳を前にして、夢は叶った。


改札で遠くから君をみていて泣きそうになる。道をきいてくるお姉さん、英語で案内を求める中国人の一家、急ぎ払い戻しをせがむおっちゃん。駅に集まる全ての人に、君のいつものあの笑顔で、溌剌とした声で、そして親身のまなざしで応える。ひとりひとりにそんなにエネルギー割いてたら、倒れるぞ!といいたくなるくらい。


おい。君はこれを読まないだろうが、君はまぎれもなく、そこに立つために生まれてきたのだよ。君がチビの頃に憧れた、熱く優しい、鉄道マン。それはまさに未来の君の姿だったのだ。

この記事へのコメント

1. Posted by たぬき   August 23, 2007 11:18
男の子の何割かは鉄道に憧れますよね。
でもその夢を実行に移せるのはごくわずか。
お友達は素晴らしいです。
また羨ましいです。
2. Posted by ことも   August 23, 2007 12:59
良かったです。
ココロに、ぐっときました。
3. Posted by あやぴ。   August 23, 2007 19:52
感動したぁ!!!!
4. Posted by naco   August 24, 2007 11:09
>たぬきまま
彼はすごいです。わたしも好きな事を仕事にしていると言われますけど、彼ほどのエネルギーを持っているかどうか。初心に戻らされる思いがします。
>こともちゃん
あなたもそうだけど夢を追っている人はきらきらしているよ。その人の夢に近づく瞬間、とかそのシーンに立ち会ったり連絡貰ったりすると、もう、我が事以上に嬉しいものだね。あなたもかっこいいよ。がんばれよ。
>あやぴ
ああ、あなたも夢追い人だね。早くあなたのステージがみたいよ。わたしのまわりには本当に多いなあ。あなたたち全てがわたしの活動の動力だと思うわ。感謝。

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