June 04, 2008

愛の参考書

先日「鬱だったのだ、」でご紹介した通り、悶々とした日々は続いています。


でもこの状態が結構好きです。鬱でない時より神経が研ぎ澄まされ、良いこと悪いことを痛いほど知覚できる。皮膚が薄くなった感じ。神経が剥き出し。



ふと、本棚に読みかけの本があることを思い出した。親友ランコに、遥か昔にもらった「ザ・オーディション」という、ブロードウェイのキャスティングディレクター(マイケル・ショトレフ)が書いた求職中の俳優のための本だ。この本の最後の部分を確か読んでいない。せっかくだから始めから読み直そう、とページを繰る私。


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唖然とする。


この本、これはオーディションでいかに上手く演じるかを書いた指南書を装っているが、否、人生をいかに生きるかを書いた、もっと言えば生きることは愛することだ、ということを具体例を用いて解説した、実用書だったのだ!今、鬱に苦しむ私が喉から手が出るほど欲しかった本は、自分の本棚にあったのだ!(瀬戸内寂聴ばっか読んでたけど何か違ってた。)


8割方読んでいるはずなのに、何で覚えていないんだろう。若すぎたのだね。自分が。


もう目からウロコも涙もビームも発射しまくり。


例えばですよ。

「全ての愛にYESと言いなさい」という教え。私達は時に憎しみを抱いて苦しむが、それは自分の望む愛が相手から返ってこないからである事が多い。悲しみも苛立ちも愛の為せる業だ。そう思ったら、そのようなネガティブな感情が降りてきたときも堂々と表現していいと思える。人から愛されたいと思うのは全ての活動の動力だ!


もうひとつ、「人類の最も偉大な競争は、誰が一番傷ついたかについてだ」。これ、なるほどーと思うんだよね。私達は苦しみを愛する。自分が一番可哀想だと言いたい。しかし誰も見ていなければ、苦しむことに何の意味があるだろう?


最後に、私が見つけた希望。「演出家には二種類いる。成功する演出家としない演出家だ。成功する演出家には共通点がある。人間に興味があるのだ。」最近私は他の人間に凄く怒りや不満をぶつけてケンカしてみたり、時間やエネルギーを割くようになった。これってもしかして、興味が湧いてきたんじゃなかろうか、自分以外の人間に。老若男女問わず。私は昔からあまり喜怒哀楽の「怒」の感情がなかったけど、それは臆病であったことの他に、無関心でいたからかもしれない。


昨日も友人と衝突、和解に至らず。今日は悩める後輩と腹わって話し合い。毎日心のエネルギー消費過多。でもこの本が、道しるべになってくれる。感情は吐き出せ。喜も怒も哀も楽しい。



表紙の裏に、サインペンでランコからのメッセージ。「未来のトニー賞受賞者へ 2003年クリスマス」私はトニー賞に近づいただろうか。不安と劣等感に思わず泣く。


でも、この本に拠れば、劣等感は夢見てる証拠、だ。

この記事へのコメント

1. Posted by canaco   June 07, 2008 02:44
ありがとう
私はこの日記に救われたよ
2. Posted by naco   June 07, 2008 12:18
>canaco
よかったね、canacoも人間大好きなんだね。
3. Posted by miyuking   June 08, 2008 00:44
な~るほど!!
今私もまさにその状況。
感情吐き出して、ピンチはチャンスに変えていかないとだね!!
4. Posted by naco   June 08, 2008 00:57
>miyuking
そうか、渦中なんだね!
熱いじゃん!!!
吐き出そう。その方が、
人生何倍も、楽しめそうだ。

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