nanaibashi

新潟市発。
世界侵出。
帝都凱旋。

を成し遂げた、異形(偉業)のプロジェクト、りゅ～とぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ「冬物語」。池袋あうるすぽっと、で観てきました。

りゅ～とぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ

演出意図を何も調べず、真っ白の状態で観たのですが。


良かった。


鐘の音がゆっくり響く中、床に置かれた丸い行灯に、白装束たちが灯を点す。

セリフ回しは現代人だが、出演者の衣装は僧侶のような、カラフルな袈裟に坊主あたま。

静かで精悍な照明。感情の盛り上がり部分は、大きな音でなく降りしきる紙吹雪で表現。クライマックスで効果的に配されたチャイコフスキー。


俳優のレベルも非常に高い。


。シェイクスピアは、古典中の古典であり、誰もが内容を知っており、シンプルなストーリーラインと芸術性の高いセリフ回しを持ち合わせているため、特異な「演出」を見せたいときに便利な作品群であり、多くの場合、客も、演出の奇抜さを求めて見に来る。(あと作者が古い人なので著作権が消滅していることも、シェイクスピア公演が絶えない理由の一つ。蛇足。)


この公演は新潟市が後援しており、新潟芸術文化会館りゅ～とぴあの常設能楽堂で始まった試みで、今までにハムレット、オセロー、リア王、マクベスなど数本を公演し、ヨーロッパツアーや海外のフェスティバルで高い評価を受けた。


きっと彼らには海外が初めから見えていて、あっちの観客と会話するためのツールとしてシェイクスピアを使ったに違いない。日本の様式美を紹介する素材としてのシェイクスピア。美しかった。単純に、印象として。深いこと考えなくてもいいじゃない。日本は美しいと思った、それで十分。


これが地方発であることに勇気を貰う。