May 13, 2010
観劇レポウト 「ダルクの森」
レクラム舎。
76年より続く、老舗劇団。
小松幹生、別役実、清水邦夫等の戯曲を得意とする、
小劇場界の重鎮である。
大学時代の恩師(仙人)が舞台監督をされており
急に電話もらって見に行った。
久しぶりに世田谷線に乗り、スタジオAR。
キャパはおよそ30。玄関入って2秒で舞台である。
シンプルな装置、いつもの小劇場の匂い。
薬物依存症患者たちの更正施設に取材に来た、
一人の女性記者と患者たち、職員たち。
誰が患者で誰が正常か、
どこまで現実でどこからラリっているのか、
途中から倒錯する価値観、認識。 そ
れぞれの持つ辛い過去とその真偽、
希望、絶望、発狂、前進、猜疑心。
シンプルな舞台の上、俳優たちの平均年齢は40代半ば。
恐ろしく圧倒的に、演技が巧い。
若手には出せない、人生経験に裏打ちされたセリフの重さと軽さ。
芝居に生きている人たちの、魂の舞台を見せていただいた。
明日から私も稽古が始まる。
師匠の「芸」と「稽古」に対する信念が
非常に勉強になると言われた。
ほとんどが夕方から深夜の稽古。引き締めて臨む。
レクラム舎「ダルクの森・アディクション~依存~」
23日まで、スタジオAR。 脚本は雑誌「テアトル」に掲載。