January 10, 2013

新春 舞台基礎講座

気づけば2年以上、お世話になっている東区市民劇団の皆さん。

私が新潟に来て仕事が無くクサクサしてたころ、こちらの演出家である
斉木としや先生(もと劇団四季!)に、「稽古場に遊びにきなよ~」
と励ましつつ声をかけて頂いたのが始まりでした。

東区市民劇団は、市民で作るミュージカル劇団。

とはいえ、もともとお芝居をやっていたメンバーも多く、
セミプロ級と新人さんが和気あいあいと稽古をする、
民間主導の劇団の中では稀有な存在感を放つ団体です。

私はいつも稽古にべったり居るわけではなく、
ホール公演の本番周辺だけ出てきて、皆さんが慣れていない
劇場周りのお世話だけする

というガミガミおばさんだったわけですが、

毎回公演の舞台稽古のたびに、
「自分の出番の前には、袖中で待っていてくださーい」とか、
「予定表に書いてある集合時間になったら、集合してくださーーい」とか、

余りにも基本的なことを、怒り続けていることに気づき、
これはこの人たちの意識が低いからというより、
劇団というものが何なのかを、誰からも教わっていないのではないか、
よく知らないから、間違えて当然なのではないか!
ということを感じていました。

で、きっと同じことを考えていたのであろう、斉木先生から、
「お正月に舞台基礎講座をよろしく」というオファーがあり、
とりあえずいつもの主力15名の皆さんが出席し、開講とあいなりました。


04

参加者は、10代~60代までと幅広く、「まずは基礎の基礎」と
銘打って、ヒト、ジカン、カネの三軸で劇団活動を解説しました。

穴埋め式で、劇団にいる役職を答えてもらいましたが、
スタッフにはどんなセクションがありますか?との問いに、
「ぶたいかんとくと、照明さん、、、」くらいしか出てこない。

待て待てい!まだまだ、たくさんの仕事がありますよ!

でも確かに、俳優の彼らがスタッフワークを目にするのは、
制作さんの仕事を除いては、劇場に行ったときだけ。
しかも劇場に行っても常に時間がなく、慣れない段取りを
覚えるのに必死で、周りの人の仕事を見る余裕はないのが
実情といえばそうだよなあ。
 
「あ、衣裳さんね!」
「あ、映像さん!」

誰かがなんとなくやってくれていると思っていた仕事が体系的に
見えて、皆さんの目からボロボロとうろこが落ちていたようです。

時間の説明では、発案から、劇場さがし、オーディション、
稽古、仕込み、舞台稽古、初日、千穐楽、解体、打ち上げまで
どういう意図で行われるのかを説明。

さらにそれに絡めてキャッシュフローの説明。
演劇がなぜ、儲けられない産業構造か?!と最後のほうは
既に愚痴。 みなさん資金繰りの大変さを理解してくれたようで、
制作側にとって大きな前進。 
 

最後に、 劇団員は全員が、船の乗組員であるという話をしました。
市民劇団でやっていると、どうしても演技するのが楽しくて、、、
という方向に、参加者の意識は行ってしまうものです。

そこがなければ続かないのは確かなのですが、
それは船にとってはオールで漕ぐ、という、作業のひとつ。
でも、本当は、

「海賊王に、おれはなる!」という、誰かの熱い想いを叶えること、
船が目的地に到着することこそ、漕ぎ手にとっての漕ぐ理由。
それが感じてもらえたら、一糸乱れぬオールさばきとなり、
七つの海を支配することができるのだ!


なんていう話をして 1時間半が終わりました。
皆さんの反応がよくて本当に面白かったなあ。
講師冥利につきるわー。facebookで写真をあげたら、
一般の人からも参加希望が来たりしてました。

次回がありそうなので、今度は一般の人向けに、
もっと演劇を見たくなるレジュメを切ろうかな ♪

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
::::最近のコメ::::