June 04, 2015

黄昏の劇団 ~リレイヤー~

毎年この時期に、春の公演の舞台監督をしている
国際映像メディア専門学校、俳優タレント科。

昨日から仕込みが始まりました。


仕込みと言っても、この時期の公演は
劇場ではなくいつも彼らが使っている稽古場を
小劇場空間に模様替えして行うものです。


BlogPaint
 

音響機材が入って、各音素材のレベルをいくつにするか?とか


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 自分たちで大道具を作ったりだとか

毎日、やらねばならないことは山ほどです。
公演はこの土日。 忙しい忙しい。

舞台写真は、こちらの学校ブログから見ることができます。

今年の作品は、かの第三舞台の「リレイヤーⅢ」を題材に
脚色した「RELAYER」。

鴻上尚史…小劇場第三世代を担った小劇の巨人であります。
この人の作品、私には難しくて、あまり好きでありませんでした。
でも、向き合ってみると奥が深くて面白いの。



ストーリーはこんな感じ。


解散の危機に瀕した、黄昏の劇団がある。

最後の稽古場に、2人の劇団員がやってきて、
来るとも知れない他のメンバーを待ちながら台本の読み合わせをする。 

その台本は、幻の作品「リレイヤー」。その台本の中には、
危機に瀕する前のその劇団のメンバーたちが登場し、
「リレイヤー」という芝居の稽古を始める…

そして物語は、現実なのか、甘酸っぱい思い出なのか、
苦々しい過去の記憶なのか、境の見分けがつかない夢のような
劇中劇中劇の世界へと入って行く。

集団を結成する時の高揚感。
仲間が集まり創作をする、刹那的な賑わい。
メンバーの不和、不協和音、
去る者。見送る者。
諦める者。追い続ける者。 

破滅のように見えるけれど、思いは受け継がれ、
また新しい集団の結成へと繋がっていく。

ちょうど、リレーのバトンのように。

……。


演劇に限らず、何かわくわくすることを一緒にする仲間を
持ったことがある人なら、必ず味わうこの破滅と再生のサイクル。

20歳そこそこの彼らに、この役たちの気持ちを本当に理解することは
少し、早すぎるのかもしれないなあ。 でも、この問題は遅かれ早かれ、
彼らを襲うものなので、きっと考える機会を与えたかったのでしょう。 

劇中劇(それとも劇中劇中劇なのか?)で、劇団を辞めて母になった
メンバーが、すっごく晴れやかな笑顔で、「あれは、私の青春でした!!」
と過去形で言いきる場面がある。

そしてそれを戸惑いと切なさと諦めの入り混じった表情で見つめる、
主人公がいる。


今はどちらの気持ちもよく分かる。
この場面を見るたびに、勝手に泣きそうになっている。

この若者たちの芝居を見ながら一番ジーンと来てしまうのは、
彼らでも、お客さんでもなく、我々大人のスタッフたちなのかもしれないなあ。

って言わせるほどの、演技を、彼らが出来ればの話ね!!!
今は呆れるほど下手ですが!!!あと3日だぞ!!!



公演は、この土日。

古町五番町、アイメディア実習棟3階にて。入場無料。


公演情報、コチラです。まだ回によってはチケットあります。
私に一報下さっても結構です。 

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