February 2007

February 28, 2007

THE WIZ

「オズの魔法使い」を初めて読んだのは
いつだったろう。

まさか自分の人生で、「オズ」にこうも
何度も出会うとは、思っても見なかった。
しかも、大人になってから。
しかも、もはや読む側じゃなくて。



MP2004という東京近郊の大学生で作る劇団に
在籍時、「THE WIZ」というミュージカルを演った。

これは、かのファンタジー「オズの魔法使い」を
ソウルミュージック・バージョンにアレンジした、
楽曲の本当にかっこいい作品で、1975年に
ブロードウェイで初演された。

わたしが4月からとりかかる作品「WlCKED」は、
「オズの魔法使い」のドロシー来訪以前、
というストーリー設定のため、
今改めて、「オズ」をおさらいしている。
つくづく、自分は「オズ」に縁がある、と思う。

それで、大学のときやった「WIZ」のDVDを、
amazonで買ってみた。
これは、モータウンが1978年に映画化したもの。


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舞台は、カンザスじゃないんですよ。
なんと、現代ニューヨーク。
ジュディ・ガーランドの映画のように、
おとぎの国なんてちっとも出てこない。
作り物のお花畑もないかわりに、

エンパイア・ステート・ビルヂングに向かって
黄色いレンガの道が延びている!!!
黄色いタクシーが走っている!!!

そして、キャストは全員黒人。
ドロシーがダイアナ・ロス。
カカシがなんとマイケル・ジャクソン。
みんな歌も踊りも最高だ!!!

これは単純に子供の為のファンタジーではなく、
大人にも多くを語りかけるストーリーを持ち、
現代ニューヨークをファンタジックに改装した
いたずらっぽさがユーモラスで、
何より、エンタテイメントとして最高だ。


ここで、今後、当劇団の「WlCKED」を観に来てくれる
みなさんのために、両者の違いをご説明しておきます。


「THE WIZ」や「オズ」のテーマは、
自己啓発だ。勧善懲悪を成し遂げて行く過程で、
登場人物たちが成長する。

「WlCKED」はそもそも勧善懲悪の、善と悪って、
一体なんなんだという話だ。
世の中には善と悪、と始めから決まっている
ことがあるけどほんとにそれでいいの?
西の悪い魔女は、妹をドロシーに殺されて、
銀の靴までドロシーにとられたのだから、
ドロシーを捕まえて靴を取り返そうとするのは
間違っていないんじゃないのか?
それなのに、さらにドロシーに殺されなければ
いけなかったのは、彼女が「悪い」からなのか?

ていうのが「WlCKED」の視点なんですね。

でも。

「WlCKED」は「オズ」を皮肉っているが、
「オズ」をみながらその矛盾や不条理をつつく
のは、ただしい「オズ」の楽しみ方ではない。
ただ両者の要素の関連性はおもしろく、
オズを知ってからWlCKEDを見たら
さらに楽しめることは確実だ。


人生、EASYではない、毎回は。
だけど、
EASE ON DOWN THE ROAD。
だって、誰でも魔法を使う潜在能力があるのだから。


amazonで試聴できます。
↑Ease On Down The Roadと
 You Can't Winでマイケルの美声を堪能されたし。

February 26, 2007

滋賀カフェ探訪 「シャーレ水ヶ浜」

まで、行ったのですが、
月曜定休

でした。


いやー今日は天気がいい休日でした。
山に行こうか、湖に行こうかと迷ったあげく、
やっぱり湖にしました。


このへんが、やっぱり新潟市民なのかなと思います。
水に吸い寄せられます。

シャーレは、近江八幡市街から琵琶湖の湖岸に向かって
走り、湖岸道路をやや北上した位置にありました。

お尻が痛くなるくらい湖岸道路を走って、
京都から80キロ。

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絶景かな、絶景かな。
休みで、人がまったく居ないのを良いことに、
野鳥天国になっている。

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かも、かも。↑

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あひる、かも。↑

近づいても逃げる気配ゼロ。


このシャーレというカフェは、ログハウスで、
湖に突き出た形で建てられていて、
不思議なくらい、

まわりに花が咲き乱れている。

夢を見ているのかとおもうほど、
ファンタジックな世界だ。
パンジー、梅、水仙、フグリ、オドリコソウ。

留守中の小人の家に来たみたい。


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カフェの敷地内で、うろうろ、うろうろしていたら、
そこで写真を撮っていた奥さんに呼ばれる。

行って見ると、水際の川鵜が、羽を広げて乾かしている。
かわう、ですよ。かわう。
これは、めずらしい景色なのだという。

川鵜は、羽を乾かすとき、ばたつかせないで、
いっぱいに広げたまま10秒近く静止する。
シルエットで見る、その姿は火の鳥のようだ。
傘をさしたおじさんのようにも見えるけど。


おばちゃんは、車で15分くらいのところに住んでいて、
趣味で写真をやるそうだ。
Canonのkissのデジタル一眼レフを持っていて、
わたしも、多少写真を撮る。
しかもCanonのkiss3だ。
おばちゃんと、写真の話や、
カメラの話や、
現像料が高いと言う話や、
このカフェのオーナーの話や、
このあたりの自然の話や、
わたしのバイクの話など、
しばらくよもやま話に花を咲かせた。


おばちゃんは、このカフェの常連さんらしいけど
定休日に来ると、鳥たちが安心して、
たくさんでてきて、ゆっくりくつろぐって
言っていた。

定休日にしか分からないカフェの魅力も、
あるんだね。



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まったく本当に最高でした。
こんな安らぐ時間があってよいのかと思うくらい。


わたしと、おばちゃんと、鳥たち。
そして、びわこ。
一期一会が作った奇跡の瞬間が、
おばちゃんのカメラには映ったことだろう。

February 25, 2007

京都カフェ探訪 「SARASAかもがわ」

行ったカフェが溜まって来たから、
特に気に入ったところだけ書きます。

これは先週の火曜日にいったカフェで
SARASAかもがわ。

以前ご紹介したさらさ富小路(記事)
さらさ西陣(記事)
あと、最近出来て、まだ記事にしていない
さらさ麩屋町と、同じシリーズ。

なのかどうかがわからない!!!!

HPをみても、お互いにリンクも無いが、
だけど贔屓にしているミュージシャンが一緒だったり。
内装のこだわり具合がはなはなだ高いというのは
共通項であるが。

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その前日、髪をばっさり切り、パーマネントをあてた。
そのため、しばらくバイク禁止になっていた。
(ヘルメットでパーマネントがとれる為。)
なので、この日はちゃりんこが僕の足。

バイクで山や湖まで結構出かけたが、
そういや、近場でちゃんと遊んでいないなと思って、
この日は鴨川で遊ぶことに。

このカフェは鴨川から一本入った通りにあるので
川はみえないんだけれども、
鴨川沿いに30分くらいゆっくり漕ぎ(自転車)
まずここでごはん。

ごはん、めちゃくちゃうまかった。
食後にホットのプーアル茶を出してくれて、
それがすごくほっとした。

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その後、鴨川へ水遊びに。
川を横断する飛び石があり、
ちびっこに混じって、そこに座り込み、
川に手を入れてばしゃばしゃしてみた。
流れが早く、水が冷たい。
やっぱ、山が近いからかな。

そんなわたしの横を、高校生の体育のクラスが、
マラソンを始めた。
先生が、わたしの目の前をスタート地点にきめたので、
出欠確認から全部参観できて、おもっしぇかった。
がんばれ、佐野君。
などと密かに応援しつつ。

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なんか休日っぽくてよかったです。
京都には鴨川が有ってよかったね。


川辺はもう春。SARASAかもがわ。

February 22, 2007

コンチクショウの日

こんちくしょう!!!!!!


と叫びたい。

そんな日もある。



世の中には不条理がいっぱいいっぱいある。

あたしをとりまく色んなことが、
色んな形で、さびたり、きしんだり、逆回転したりする。
そっちの方向にいってほしくないのに、
そっちの方向にいったりする。


あたしは今、毎日血を吐くほどがんばっているのだぞ。
おかしくなるくらい頭を使って生活しているのだぞ。

それなのにそれなのに!
どうしてこのくるまはまっすぐ進まない。
どうしてアクセル踏んでるのにギアがつながらない。


神様神様、わたしはいいこです。
まじで頑張って生きてます。

それなのに。どうしてもくるまがまっすぐ進まない。

こんちきしょうううーーーー!

こんちきそょうううーーーー!



今日はさまざまな不条理と、納得のいかんことが
たたありました。

だので、屋上で、コンクリートの屋根に
寝転がって頭が冷えないかなと思いました。
でも、ただ、寒かった。

で、母に電話しました。


別に自分の話はなにもしませんでしたけれども、
母の話を聞きました。

そしたら、母は私の数倍の、納得いかないことに
直面していました。

なのに、笑っていました。




強ええ。

って思った。



シカゴにいたとき、参加した友達の芝居の
セリフで、こういうのがあったの。

男の子: It's cold down here.
「ここは、寒いんだよ。」

女の子: It's cold everywhere. Get used to it.
「どこでも寒いのよ。馴れなさい。」


温かいのね。

おとなになるってそういうこと。
温かいのは、いつも前に先輩がいることだ。

February 20, 2007

鉄コン筋クリート

松本大洋、好きな漫画家さんです。
絵のタッチと世界観が最高で。

鉄コン筋クリート(てっこんきんくりーと)は
松本大洋が93年にビッグコミックスピリッツに
連載していたコミック。

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それが、マイケル・アリアス監督と、大好きな
STUDIO 4℃によってアニメ映画化されたのが
昨年末。構想10年と言われる夢の超大作なのだ。

といっても私自身、鉄コンを前から知っていた
わけではなく、このたびの映画上映情報を見て、
「やばい!!松本大洋×4℃!!!やばい!!」
ということで、映画の予備知識としてコミックを
買った次第。

この原作本、これがもう、最高であった。
原作は3巻完結だが、読み応え十分。
そして、ストーリーの美しさに号泣。
主人公は、クロとシロという名の、
10歳のこども。
ふたりは、不完全な片割れずつだが、
二人揃うと大人も手が出せない「空飛ぶ子供」たち。
二人は街を愛し、街に愛され、街を荒らす大人を
徹底的にやっつける。必死で闘う。

非現実的な描写をたくさん取り入れながら、
ものすごく「思い当たる節」があったりして、
初めて読んだとき、切なくて号泣。

そんな鉄コンが、映画になった。
アニメスタジオである、STUDIO 4℃によって。
これを、今日、京都の駅南にある、少々さびれた
単館映画館に、仕事仲間と二人で行きました。

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原作のイメージを裏切らず、それでいて
意表をついた演出方法で新鮮さも感じさせる。
あの松本大洋の美術世界を、これだけ忠実に
動画化できるとは!!!!
本当に、背景だけみていても絶句する程、美しい。

この映画、いい!!!!

映画公式サイトこちら


見終わったあと、二人して鼻をすすりながら、
言葉にならない開放感でいっぱいになり、
映画館の近所のゴルフ練習場で、

うちっぱなし100発しました。

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へたくそで全然とばなかったけど、
気持ちよかった。
この写真のあと、靴と靴下も脱いで、
裸足で大地を感じながら打ちました。

そんな気分になる映画です。
おすすめ度★★★★★

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