April 2013

April 30, 2013

裏方ラフォルジュルネ

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ラフォルジュルネ初体験して参りました。



演劇とクラシック、似ていそうで全く非なるもの!!


なんだあー!この優雅さは!!


この企画を始めたひと、ルネ・マルタン氏、すごいな。
世界のスタークラス…ではないけれど、
十分一流と呼べるアーティストたちが、
各都市およそ3日間の日程で、
東京、新潟、びわ湖、金沢、鳥栖をめぐる。

それぞれ、会場となるのは一つのホールではなく、
周辺施設などを含めた複数会場。
来場者が一度に沢山の公演をはしごできるように、
五分刻みのスケジュールでトントンとすすむ。


複数の会場で見事なスケジュール調整。
新潟はメインの会場は6箇所。

私が担当していたりゅーとぴあの「劇場」では、
一日5公演、フランス人、イスラエル人、セルビア人など
多国籍ピアニストがすばらしい演奏をきかせてくれた。



企画側はかなり大変。
一本あたり45分のステージで、入場料は1500~2000円。
低料金で、良質で、一気にたくさんの
ステージを体験できる、クラシックの見本市ということらしい。

今年のテーマはモーツァルト。
ピアノソロから、4手、トリオ、オーケストラ、
協奏、讃美歌風の合唱団、オペラまで、
作曲者はただ一人モーツァルトだけなのに
実に幅広い演目の域。天才なんだこの人は。

会場前には屋台もいっぱい。
親子連れもおじいちゃんおばあちゃんも
とにかく幅広い年齢層でいっぱい。

観客の6割がクラシック初心者という。



新潟が、モーツァルトで溢れた3日間だった。
いい企画だよね。

これだけクラシックに疎い人が、3日でクラシックすきになっちまうのですから。

April 22, 2013

試練終了

終わりました。

なんとか、ギリギリ、無事に。
満席のお客さん大喜びで帰って行きましたとさ。

ホッ。


そしてまた次の試練へと。


April 21, 2013

試練です。

明日仕込みの現場、

これは私にとって、かつてない試練です。


時間的にも、物理的にも、未知数の大きさ的にも、
どの項目も一気にこれまでの仕事の中でトップに躍り出そうな勢い。


もともとあんまり瞬発力がない私なので、
色々なことが未だ未確定のこのお仕事、
明日現場で次々正しい判断が下せるのか、

不安。


かつてこんなに不安な前夜があっただろうか。


もっとこういう進言しとけば良かったんじゃなかろうか、
もっとああいう準備しとけば良かったんじゃなかろうかー
あーあーそれからそれから


と次から次に現時点での反省点?
というか別の選択肢?が思い浮かぶのですが、

終わった時間のこと考えてもしょうがないもんね


明日のことだ、あしたのこと。



これ絶対、成長のチャンスなんだから。

もうやること多すぎて寝る暇もない、
劇団四季時代のゲネプロ前夜を思い出す。

あっ、あれに比べたら、たいしたことないな、
この程度の精神的圧迫感。

これがしんどいけど不思議とわくわくして仕方ないのは
芝居の仕事だからだと思います。

俳優たちが良い。
あのひとたち凄く真剣で、
かなり面白い舞台つくってる。

ミュージシャンもプロ。
今日のオケ合わせ、不完全ながら凄く戦慄した。

自分がこれに立ち会ってるという興奮と、
自分の不出来で総合得点さげちゃう可能性大だという恐怖。

私の仕事は周囲へのパフォーマンスじゃだめで、
叱られないように上手くやるだけじゃだめで、

実(じつ)を求められる仕事。
そこに対して払われているお金。


それ分かっているし。
だけどそれでも、明日きっと迷う。
経験の浅さ、引き出しの少なさにきっと焦る。

多分、全部100点出せない。
わたし、まだそこまでじゃない。

じゃ、
明日迷ったときの基準はなんにしよう。

だれかに嫌われる選択肢しか残らなかったらどうしよう。

そしたら、
お客さんに、なろう。
これを観に来たお客さんが、喜ぶようにしよう。

そしてこのチームがまたその人たちに会えるように、
いいチームであるようにしよう。


ってことにしよう。

いつもそうだもんね。
基準はね。



ちなみにこんなにスタッフが不安がってると周囲に知れるとまずいので
演目も会場も伏せさせていただきます。

うまくいかせてから、ご報告したいです。


東京の寒空の下です。


逃げたいです。

逃げないです。

頑張ります。


私の、仕事を、やります。


April 17, 2013

演芸場へゆく

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東京から芝居仲間の2人が遊びにきてくれました。

一泊二日の強行軍で新潟市を遊び倒しました。


温泉ふたつ行って、市場行って、日本海の断崖絶壁登って、お笑い動画見まくって、

最後はやっぱり、大衆演劇をみてもらおうと、久々に行きました、古町演芸場。


今月の一座は「劇団春」。
若手ばかりながら、お芝居も歌謡ショーも構成がよく、
飽きさせない二時間半。キャーキャー言って見ました。


以前劇団四季の俳優さんが、ツアーで新潟市に来たときに、
面白いとこに連れてってくれと言われて演芸場を見せたら、
大衆演劇一座の舞のうまさが衝撃的だったらしく、
東京に帰ってすぐ、日本舞踊を習い始めたと連絡がきました。


それほど、この大衆演劇の世界は、
現代演劇しか馴染みのない舞台人には魅力的なようです。

まだ大衆演劇を観たことがないという御仁は浅草あたりで試されることをおすすめします。

毎日日替わりで違う演目を、朝と夜の二回公演。
一月の興行で休みは1日。そしてまた次の土地へと旅する一座。


新潟ならいつでも入れます。
観に来て下さい。


April 14, 2013

裏方レポウト「松尾ス◎キの マ◎ーン日記」

地方でこの仕事やってて一番の幸せは、ですね。

第一線の現場に、たとえメインでないとしても、関われることです。
そして仕事なのに批評をかくので、伏字をいれさせてもらいました。


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3日前から本日まで、松尾ス◎キの「マ◎ーン日記」新潟公演でした。
手伝いました。もちろん、仕事でです。公式サイトこちらです。

こういうの、「現地さん」って言います。
つまり、東京からクリエーター集団がツアー引っ提げて来るんだけれども、
東京公演をやったスタッフ一同が全員で新潟来たら、交通宿泊費が
大変な額になるわけじゃないですか。

それで、チーフとサブ、くらいまで来て、あとは現地のスタッフ会社に
外注出すんですね。図面みたら誰でも出来る内容の仕事は、
人件費の安い人間にやらせようってことですよ。

わたしの居る会社はそれで成りたってるんです。
このような会社は全国各地に御座います。
こういう仕事を会社内では「現地仕事」と呼び、
ツアーメンバーさんたちからは「現地さん」と呼ばれるわけね。
(ちなみに劇団四季のツアーは現地さんを雇わず、
効率重視で全部ツアーメンバーのみで進行を行います。特長です。)

ちなみに私は現地大道具さんもやるし、現地照明さんもやるわけです。
只今マルチタレントになろうと勉強中なわけです。

で、


松尾ス◎キさんを皆さんご存じですか。

あ、今「ご存知」と変換したくて「ごぞんじ」と入力したけど出なくて、
そうか、「知」は「ち」だからかー。と「ごぞんぢ」と入力したらますます出なくて、
やっぱ「ぢ」は無いよな、「地震」だって「ぢしん」とは言わないもんね、
と言う論理で「ごぞんじ」と入れたら何回目かの変換で出ました。


みたいな、上記4行のような筆感の作風の作演さんです。


私はもともと宮藤官九郎さんが好きだったもんで、東京にいた時は
彼の関わる劇団「大人計画」が好きでした。
松尾ス◎キさんはそんな「大人計画」の創始者です。

大人計画の脚本はしばしば出版されるので、数冊買っていますが、
読めばわかる。という内容ではなく、「しゃべってもらわなければ、
内容が全然わからない」という類の、大変独特な筆致です。

そして、ときどき、「しゃべっても、やっぱり分からない」みたいな状況になります。


今回の「マシ◎ン日記」新潟公演。

が、まさにそれだったかもしれない。


「マシ◎ン日記」は、東京芸術劇場が主催で先月大型公演うった演目。
でもね。大人計画はもともと、すっげえ賛否両論わかれる劇団です。

これを公共ホールが大々的に金出して興業をうつって、大胆ですよ。
でも、東京には確固たる、この手の芝居のファンがいるから、2週間の
公演でもきっと満員御礼。

でもさ。

なんで新潟は、もともと大人計画ファンの地盤がないのに
この公演を呼んだのかな?

「芸劇が買ったから」っていう理由が大きいと思いますよ。
今日の客席を見ていたら、そう思わざるを得なかった。
客がくるかどうか、ましてや喜ぶかどうかの配慮なんて無いに等しい。


新潟で、大人計画、私が知る限りツアー公演を打ったことない??
かもしれないですよ。つまり、地盤は結構ゼロに近いんです。
現時点での新潟の観客に、大人計画は早すぎたのです。

特有の下ネタ&御下品ネタが続く中、完全に置いていかれるお客さん達。
東京ならドカンドカンと笑いが起こるところで客席が全くの無音。

もともと無理な動きや言葉で笑いを作る作風だから、
客席が勢いをつけてくれなければ途端に自虐に見えてしまう。
演者もネタを繰りだすこの瞬間が辛いのではないかと、思ってしまう。

最後の拍手は割れんばかりに、いつもあたたかい。
でもそれは、新潟の人の常なんですよ。内容のよしあしじゃないんですよ。
来てくれてありがとう、的なそれなの。新潟人の私は、そう思う。


何がいいたいかというとですよ。

もちろん公共ホールが先走って、新潟人にまだ未開拓の部分を、
公共支出を投資してみせてくれなければ、視野は広がらない。

だけど、「最先端の舞台」が成り立つのは、
やはり「最先端の観客」あってのもの、っていう種類の舞台もあるんです。

大人計画を池袋サンシャインとかで見てた私は、
あの「あたし」と「客席」が一斉にドッと笑う、
臨場感と仲間意識が気持ちいいから行くんであって、
決して大人計画をDVDで家で一人で見たいとは思わないですよ。

「ライブ」のものを楽しむ、っていう感覚が、
自分が反応することによって舞台を作ってる、っていう感覚が、
今んとこ地方と中央の一番の格差かも知れないなあ、って今回、

とっても思った。


だから、何がいいたいかというとですよ。


新潟人に、もっともっと楽しく芝居みることもできるんよっつーことを、
伝えてあげるのが公共ホールの?いや、あたしの仕事だよってこと。

あと、大人計画系の作品を選んだ本当の理由は知らないですよ、
だけど、東京で売れているからっていう理由だけで、
地方の人たちの莫大な税金をつぎ込んで公演を買ってはいけないと、
私は思います。

呼ばれた団体側も、お金を出してくれたからやる、という以上の
姿勢があったらよかったのに。新規開拓地なんだから。

わたしは、好きですよ。大人計画は。
だけど、それはわたしがあくまでも、「東京で」見た、いや、もっと言うなれば
「東京のお客さんと一緒に」見た、ことがあるから好きになったの。
もしこの新潟公演が初見だったら、好きになっていなかったと思います。
今日の客席の反応の悪さは、真摯に参考にしてほしいな、誰かが。

この「◎シーン日記」、このあと北九州いったあと、パリ公演だって。
パリのお客さんに、受けるといいね。
まあ親「日カルチャー」だから、また違う受けどころで大受けするかもだけど。

でもさ、「わかるやつだけ、わかればいーよ」みたいなのは、良くないよ。
とくに税金で来てるクリエイターはさ。
演劇なんてさ。純粋にビジネスにしようとする方がおかしくなる世界じゃん。
情熱を忘れたやつが「やっつけ」とか「言われたから」でやっていいもんじゃないじゃん。

地方って、大変ですよ。
思ったより厳しい戦いですよ。
だけど、きっと本当の作品としての勝負って、ここにあると思いますよ。


誰に何を言いたいのか、自分でもよくわかんない。

だけど、これだけはいつも思っている。
舞台作品には正解はない。
だからこそ、正解だと信じたことは、全力でやんなきゃいけない、と。
「これが良いものですよ」と、全力で信じて叫ばんきゃない、と。

なんだかそれが、曖昧になっている仕事が多々みえちゃったような
今回の現場でした。そうなっちゃったらね、金とっちゃだめだね。



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