October 21, 2013

勝間和代氏、田中雅子氏の講演をきく

先週、新潟市内で行われた、とある会合に於きまして

勝間和代氏(オフィシャルサイトこちら
田中雅子氏(オフィシャルサイトのプロフィールこちら) 

という、 我が国のビジネスシーンを牽引する女性経済人の
お話を聴く機会がありました。

女性が専門職の現場で働くということ
結婚出産をしても働き続けるということ
職場でよりよい人間関係を構築するには
よりよい労働環境を得るには
作業効率を上げるには

などについてのアドバイスや問題提起、モデルケース紹介。
といった内容で、大変面白かったのですが

同時に、ちょっとひっかかるものがあった。


このお二人は共に男性社会の企業体の中で、
女性の有用性を示し、地位向上させ、会社の制度すら変えさせ
さらに、管理職につく女性の割合を増やそうと呼び掛けている。

働く女性には時間が無い、
男性労働者と違って、家事育児に取られる時間は削れない、
だから長時間労働を強いられれば男性に勝てない、
組織の中で生き残れない、

従って作業効率を上げよう、短時間で同じ成果を出すようにシステムや
マニュアルを見直そう、結果的にそれが女性だけでなく、組織全体の
効率化、コスト削減、ワークライフバランスの改善に繋がります、

と、いうところは大いに賛成です。

先日読んだシェリル・サンドバーグ(facebookのCOO)の著書
「LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲」。
とてもその考え方には学ぶところがあり、そうだそうだ!と思うのですが

これを読んでいた時も、ん?と思う瞬間がたびたびあるのです。

DSC_0806


さて、会場からの質問で、私の知り合いの、ベテランの先生が発言をしました。
彼はご年配ですが、普段お話をしていても、新しい考えに先入観なく耳を傾け、
柔軟で広い視野を持っている方だと尊敬している方です。

「おっしゃることは、経済の活発な首都圏や、大企業に於いては
当てはまるのでしょうが、私の住む新潟の過疎の村では、人の確保、
ぎりぎり回していくのが精いっぱいなところがありまして、
地方では必ずしも同じことは出来ないんじゃないかと思うのですが、
例えば他の地方都市でのモデルケースとか、参考事例などあれば
教えて下さい」という旨の質問でした。

それに対して、「そのように現状に対して文句を言う前に、
何かできないかともっとよく考えなさい」というお答え。

ちょっと驚きましたよね、これには…


それはもちろんその通りなのですが、
それを言ってしまうと、単に自分の成功体験の自慢話(というと失礼ですが)を
聞かされたのかしら?という印象がありました。

いや、そんなことを感じた女性は、あの会場では私だけだったのかも
しれません。大御所先生が一蹴される景色を、物珍しく面白おかしく
観ていた人はいたにしても…


ただ、適切なワークライフバランスというのは、
男性と女性で違って当然だと思いますし
地方と都市部で話は全然違うものであるはずです。
そして、そこで働く人たちが、話を同じにしたいのかというと、
必ずしもそうでない。

私に限って言えば、Uターンして地方に住むことを選んだ理由は、
「ワーク」よりも「ライフ」だという希望に従ったからです。

それは、「ワーク」に対する満足度が落ちたとしても、
つまり「ワーク」でのキャリアの構築や金銭的・精神的に満たされることよりも、
満足のいく「ライフ」をとるのだ、という覚悟があったわけで、

地方に住んでいる人間たちというのは、
多かれ少なかれ「ライフ」に比重を置いている確率が都市部より高い、
と思います。ライフを選ばざるを得ない状況にある場合も含めて。

家族に対する義理の感情を一番強く持っているのは日本海側の
人間らしいです。京都の居酒屋のママに聞きました。

そのような地方で、同じ話、とは いかないのが現実かもしれません。


女性が管理職に!リーダーに!という意見も、確かに、
「同じだけ機会があるべき。その地位を女性が望んだ場合、
それが女性だという理由で男性より困難になってはいけない」 
ということだと思うのですが、

ただ女性にとっては、女性としてのライフ、を選びたいと思う人も
たくさんいて当然だと思います。
だって、女性としてのライフは素敵なんだもの。

そしてそれは、子どもたちにとっても豊かな時間をたくさん得られる、
ということでもあると思います。

女性が結婚出産で離職しなくてもいいように!
女性のリーダーの割合を、欧米に近づけよう!
という意見は間違っていない。だから、時間はかかってもその方向へ
企業のスタンダードも制度面も行政のサポートも進んでいくのは確実。

それが革新的な女性のみならず男性にももてはやされている昨今、
それを達成した日本が本当に今より幸せなのかは、
一概に言えないなっていう気がしている。

こういう考えをコンサバとか田舎者というんでしょうが…


とにかく勝間さんの、「人間、得手と不得手が誰にもある。
弱点を補い合って、チーム全体として出来る状態であればそれで良い」と
いうご意見は、分かっていたようで、実践できていなくて、勉強になりました。

きっと今、働く女性の地位は、過渡期真っ最中なんですね。
そう遠くない将来、「働く女性」という言葉自体が、
当たり前になって特別な意味を持たなくなる日が 来るのだろうなと、思います。


とにかく、ワークライフバランスって、
どの割合がバランスとれてるのかって、基準なんて、ない、
と思う。

人それぞれなんだと。
 


…なんか、まとめるとちょー当たり前のこと言ってしまっている。

ごげんなの。 

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この記事へのコメント

1. Posted by いまこ   October 23, 2013 00:00
5 一昨年の冬、長岡でエンジン01文化戦略会議が開かれたとき、私も勝間さんのクラスを選らんでお話を聞きました。そのときは思春期の子どもたちのことを、他の講師の方と対談形式で話されていて、引き込まれていったのをおぼえています。でも内容が思い出せない…困ったことに何か頭に詰め込むと前のことを忘れてしまいます(笑)
ワークライフバランス…ナナコさんがまとめてくださっていた最後のひとことで納得!ほんと人それぞれですよね。そして自分自身だって、その時々で比重に変化があるんだって感じています。周りと比べて焦ったりしないためにも、今、自分にとって、心地良いバランスの状態をみつめていきたいものです。日々、慌ただしく過ぎていますがナナコさんのブログを拝見し、ちょっぴり自分をみつめる時間が持てました。感謝!
2. Posted by naco   October 23, 2013 10:31
>いまこさま
毎度ありがとうございます。WLB自体、これまでの時代の人たちは考えもしなかった視点ですからね、私たちの世代がその両方を得ようとした最初の世代ですから…試行錯誤ですね!
勝間さんかっこいいですよね~とにかく彼女は妻であり母であり、私からしたら女性として大先輩ですから、言葉にとても説得力がありました。
あるのですが、どこかしら生理的に「もうその辺でいいです」っておもっちゃうことがあって。多分私の中のペースがゆっくりになったんですね、東京に住んでいた時に比べて。で、それが地方の魅力なわけです。どうやってそのライフの豊かさを守りながらワークを充実させるかが、地方の課題ですね。

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