January 08, 2014

シリーズ気仙沼へゆく(1)

事の発端は、昨年の8月に仕事で女川町へ行ったことでした。



え、2年半経ったんだよね


という状態だった。
ほんとにそれだけ。理由は。

でもほんのそれだけの感触が、夏以来ずっと心に異物感を残し、
なぜ?なぜ、まだ、そこにいるの?という疑問がぐるぐるしていて

その状態って、日本の他のみんな知っているの?
私、いま何もしなくていいの?
そこにいるみんなは、いつまでそこにいるの?

疑問。

疑問。



答えが、ほしい。



気仙沼2


(※小泉海岸の防波堤。転用OK)


でも1日や2日で満足のいく回答を見つけられる自信も無く、
正月休み4日ある、よっしゃ!と思って宮城県へ出かけたわけです。
4日あったら、いくら鈍い私でも何かわかるっしょや!と思って。

そして、それは見事に大収穫だったのであります。



東北に行くには、「観光」と「ボランティア」という選択肢がありました。
私が「ボランティア」を選んだ理由は、震災直後にボランティアバスで
がれき撤去や側溝復旧などの作業に参加して慣れていたため、

ではなく、

なんか、役に立つことをやった気になりたかったから。
だったんだなあと今思えばそんな気がする。

肉体労働やりたいときってあるじゃんね。
自分の存在に自信がなくなったときに献血したくなるのと一緒ですよ。

自己満足と焦りと懺悔かな。そんな気持ちで出かけた訳です。


とても素敵な経験をし、なんとか皆さんにも、
私の感じた危機感にも似た衝撃を味わってもらいたい。

味わっていただかなくては意味がない。
いつものどーしよもないブログとは違うんだ。

もっと巧みな文章が書ければいいのですけれど、
どーもきちんとした文章が書けないので、
よし、とにかく思いつくままに書こう…

ってつまり、いつも通りだなこりゃ!
ぜひ最後まで、読んで下さいね。



1月2日、午前2時起床。愛車に乗り込む。 

朝までに気仙沼着きたいなあと思って
結構余裕持って早く出たつもりだったけど、
もともと片側一車線で走りにくい磐越道は福島で大荒れで、

低速除雪車でるわ、
吹雪で前が見えないわ、
スピンしかけるわ、
サービスエリアで寝ちゃうわ、
道間違ってなぜか仙台市街を徘徊するわで

目的地周辺到着が、9時10分。
へとへと。


今回の旅先は正確に言うと、気仙沼市街のちょっと手前、
南三陸町との間に位置する「本吉(もとよし)町」の小泉地区。

知らなかったけど、本吉町は一番高い津波が来て、甚大な被害が出た地区です。 
現在は合併されて気仙沼市本吉町となっています。


気仙沼1

(※防災対策庁舎。転用OK)


そこに、「小泉自然楽校」という施設があります。 
小泉自然楽校のブログはこちら! 


町に常駐するボランティアスタッフが管理運営し、
町の人と一緒に活動をしている施設らしい。
宿泊できるらしい。

っていうことくらいしか事前情報がなく、分からない。

でも「自然楽校」だしな。
宮城だしな。
絶対寒いよな。

という予想で、とりあえず「冬の外現場」の装備で行くことにした。


わたしの現在の仕事を知らない皆さんのために説明させてもらいますと、

わたし舞台の裏方の仕事やってて、
現在地元の照明会社に勤めているのですが、 
劇場での仕事は半分以下。

それ以外は外の仮設ステージとか、メッセ等の施設で、
「仮設」のステージ設営や「仮設」の電気工事が大半です。
トラックで機材を持って行って、仕込み・本番・撤去をやって
寒い、暑い、重い、汚い、聞いてない、とか言ってられない

時間がないぞーーー!!!

みたいな仕事をしているのです。 
外現場とは、つまり屋外の作業ってことですが、
1年半やって、ようやく慣れてきたところでした。

長靴、カッパ、ネックウォーマーにレッグウォーマー、
スキー用ヒートテックを上下に着こみ、出陣。


到着すると、校長の阿部さんが迎えてくれた。


センターが阿部さん。それとこの日泊っていたボランティアスタッフのみんな。
大学生から社会人まで。

気仙沼3


学校は、予想通り、イベント用の、仮設テントハウス。
そして予想以上に寒い。雪まつりレベル。暖房器具も少ないし…
体調をくずさないように気をつけなければ。

と、そこでイキナリ、「これから浜松に帰る」というスタッフさんが
「じゃ、次の炊事班長さん、調理場を引き継ぐからね」と。

「これとこれを早めに食べきって、調味料はここ、食器はここ。
炊飯器は二つ同時に使うとブレーカーが落ちるから、ここのコンセントと、
あとはちょっと歩いて向こうにある小屋のコンセントで一台ずつね!」
と駆け足で説明して、去っていく彼女。


ん。


わたし、炊事班長だったのか。12人分とか一気に作ったことないけど、
大丈夫なんでしょーか。

と、言われたそばから阿部さんに、
「夕飯の米はといだのか!でかけるぞ!」
との有無を言わさぬ指示。

はい、よく分からないけど、そこにあった米をとぐ。
うーん!計量カップが見当たりませんけど! 目分量でいっか!食えるだろ!

湧水を汲みあげた仮設の水道の水が、氷のように激冷たい!
そしてこの厨房は半屋外!寒い!

東北をなめてた!!!!


そして自分より、隣の、このひょろひょろした男の子が心配。
4日間居るって言ってるけど、最後まで生き抜けるのだろーか。
炊飯器をセットしてメンバーたちと施設を後にしました。
 

こうして新年早々、合宿生活がどたばたと幕を開けたのでした。


これまだプロローグなんですけど、
どうしても皆さんに伝えたいことがたくさんあるので、
何回シリーズになるか分かりませんけど、最後まで読んでもらえたら嬉しいです。


(2)へつづく。


小泉自然楽校のブログはこちら

8月の記事「女川公演レポート」はこちらから
 

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