March 2015

March 12, 2015

モントリオールです。創造。

モントリオールです。


ここで何を観たのかと言うと… 


シルク・ド・ソレイユ本部!!!


2015-03-07-04-46-23
 

たった3人のサーカス団から始まったシルクが、
30周年を迎えた今、国家を巻き込んだプロジェクトに成長し、

モントリオールの拠点地区に巨大なリハーサルスタジオと
衣裳・小道具の工房、カフェテリア、学校、居住区を集結させ
市と協力して周辺の緑地化まで行っているのです。 


内部、写真が禁止だったので、何もお見せできないのですが、

リハーサルスタジオは体育館以上の広さがありました。
すべての演目を再現できる面積と床・天井の耐久性能。

巨大な衣裳工房では、染色、ペイントで全ての生地を自分たちで
着色し模様を手描きし、全てのパフォーマーの顔型があり
ヘッドアクセサリーやメイクの検証・作製ができる。

一人ひとりの体重や負荷に合わせた「スリング」を作る専門の
職人さんが居る。 

常にインスピレーションを喚起し、稽古場に居ても劇場の空気を
忘れないようにと、内装がいたるところオシャレでアート。

どの部屋にも、そこで一心不乱に自分の創作活動に没頭する
アーティスト、職人たちの姿があったのです。


そして地上20数階に、この「シルク」王国全土を見渡すことが
できるガラス張りの展望室がありました。

5年後、この建物の周りは緑地化プロジェクトが進み、
公園になっているはずだから見に来てね、と言っていました。 


自分たちが成功することだけでなく、
周りを幸せにすることを常に考えている団体。

働く人たちの意識の高さがビシビシと、痛いほど伝わってきて、
凡人の私でさえ、込み上げる創作意欲を押さえられないほど。


もう一度生まれ変わったら、ここで働きたい、
と思ってしまうような、素晴らしい「理想の職場」でした。


でも、もちろん人生は二度は無い。
ここからヒントを得て、日々の仕事の中に
プチ・シルクを持っていようと思いました。


2015-03-07-06-50-40


モントリオールは、旧市街と新市街があります。
ホテルはちょうど真ん中。

私は旧市街が好きなので、散策に出かけました。
モントリオールの、ノートルダム寺院。
ヨーロッパに居るかと見まがう美しい街並みでした。


いまモントリオールでは、寿司ブームだそうで、
いたるところに寿司スタンドがあります。

アメリカより、魚おいしいかな(サーモンあるし)と思って、
初トライ。醤油がちょっと甘しょっぱかったけど、
美味しかったです。ワインと一緒にみそ汁も飲みました。

2015-03-07-09-21-18
 
スケッチブックを買ってきて、次の公演の舞台装置案の
絵を描きました。

創作活動には、必ずインプットが必要です、私の場合。
そしてシルクは、アウトプットをしなければ精神を保てないくらい、
膨大で強烈なインプットだったのです。

その日はホテルの部屋が、私の工房になりました。 

March 07, 2015

ケベックです。親切。

国境を越えて、再びカナダに入りました。
今度は東側。ケベックシティです。

2015-03-05-21-45-44


カナダに入った途端、建物や商品のデザインが、
急にお洒落になった。現代的、というべきか。

主観ですけど。


楽屋かわいいし

2015-03-05-23-21-07


言語はフランス語だし

2015-03-05-23-18-25


ヨーロッパかどこかへ来ちゃったような気分です。
夜になるとマイナス20度という、凄まじい寒さですが。


ところで、ブログのタイトルに街の名前しか書かないと、
その街でどんなことがあったのか、自分でも分からなく
なってしまうため、

地名の後に、二文字熟語でその街や出来事を表現することに
してみたのですが、ケベックの「親切」はちょっと言葉足らず。


説明のために、「幸福度」の話をまず、します。


統計を見ると、カナダ人は国民の90%が自分の生活に
満足しており、その割合は世界第二位なんだそうです。
ちなみに一位はデンマークです。
(「幸福度」というと統計によって順位は前後するのですが
カナダは10位以内には入っている)
所得額や医療保険の普及度が高いことが要因らしいです。

しかもそのカナダ国内で、1,2を争う幸福な市がケベックシティ。


そこの市民はどんな人たちかと言うと、
自分が幸せだから人にも優しく出来ちゃうという、

ものすごく、いい人たちなのです。


と書くと稚拙な感想みたいに聞こえますが、
これが世界的に有名な話で、とにかくケベック市民は「いい人」と評判。

でも、実際そんな事ってあります?! 
みんながみんな、いい人ってどういう街なわけ?!


でも、それは劇場に行ってみて、
一緒に仕事をしてみたら、すぐに分かりました。

これ事実なんだと。 


とにかく親切。仕事を一生懸命とか勤勉、というのではなくて、
何か私たちのために出来ることはないかと、
四六時中考えて提案してくれる。

基本言語がフランス語なので、英語はたどたどしいのだが
もちろん私よりはずっとうまく、お互いに親近感が持てて、
一日しか居なかったのにずっと友達だったような気がしてしまいました。

本番前に、スタッフ楽屋にこんな差し入れ。

2015-03-06-08-54-03
 
「ケベック滞在を楽しんで下さいね!」という
メッセージと共にワインが。ホテルかっ ヮ(゚д゚)ォ!

印象的だったのは舞台チーフのジョンさんの言葉で
私が「We have a problem..」と言って何かを相談しに行くと
「There is no problem. There are only solutions.」
と返してくれたこと。
「問題」というものは無い。「解決策」があるだけだ。


この人たちが、たまたま親切なケベック市民だったのか、 
ケベック市民だから親切なのかは分かりませんが、

いずれにしても、

「自分が幸福だから、他人に優しくなれる」というのが
人間の本性であるならば、物凄く嬉しいなと思ったのです。 

だから私も、もっと全力で幸福になって優しい人間になろう!って。
なんだか凄く、清々しく背中を押された気がしました。
その理論を聞いて。



おまけ。


2015-03-06-04-02-37
 

こちらの劇場は、縦方向に通路がありません。
ズラ―っと一列、全部の座席が繋がっています。

ものすっごく出入りがしづらいし、
一番後ろのセンターにある音響席や照明席から舞台まで
来るのにめっちゃめちゃ時間かかりますけど、

どうしてこうなっているんだと思います??


正解は、非常時に、客が外に逃げようとして
混乱や事故にならないように、
絶対前の人を追い越せないようにするためです。

その変わり、写真のように、サイドに出口がかなりたくさんあり
横一列で順序良く逃げれば、ドアから全員スムーズに
出られるようになっているというわけ。

いつでも有事の際の事を一番に考えることは素晴らしいですね。


でも、本当に照明席、遠いよ( TДT) 


あと遅れて客席に入ると、 ものすごい回数「すみません、すみません」
って恐縮する羽目になりますよね。日本人には出来ないかも。 

March 03, 2015

ロチェスターです。大雪。

カンザスのつぎはケンタッキー。
寒さはどんどんきつくなります。

そして飛行機で一気に、カナダに迫る勢いの
ニューヨーク州ロチェスターへやってきました。


一階の半分が埋まるほどの積雪です。

2015-03-02-23-10-05


新潟とは雪質がまるで異なります。


気温がマイナス15度程度と低く、雨が降らないため、
本当にサラッサラのパウダースノー。

これが厚く積もると、踏んでもあまり圧雪できず
いつもの雪道の歩き方だと転びそうになります。

でも全然べたべたしないし、ぐちゃぐちゃにならないし
いいなー!この雪、いいなー!!!

夜は積もった雪の中の氷の結晶がキラキラして、
そこらじゅうに宝石が落ちているみたいです。
 

お部屋の中は暖房完璧だし、ロビーに暖炉もある。
今日は寒いけど幸せな休日になりそうです。

このあとカナダに突入。
ケベック、モントリオール、オタワ、トロントと回ります。




公演は折り返し地点を過ぎました。
公演地はあと半分、15都市ほどです。


下手フロントから、照明のマーティンを臨む。

2015-02-27-00-23-23
 

機材庫にプレスリーさんを発見。

2015-02-27-00-22-44

 
マスクは乾燥対策です。

いたって健康なんですが、アメリカの人たちには
「風邪予防でマスクをする」という概念がないため
「なぜ全員マスクをつけている?全員病気なのか?!」
と劇場でも、コンビニでも、よく質問をされます。 

乾燥が健康に悪いというのは、東洋医学の発想みたい。
最近読んだ東洋医学の本にはバッチリ書いてあった。
五行説でいうところの「燥邪」です。
もっとも影響を受ける器官は肺、鼻、のど、皮膚、呼吸器系。

日本では別に医学の専門家でなくても常識なのに不思議だな。 


そういえば、

昨日、部屋で女子会をやろうと思ってスーパーにいったら 
ビールはあるのにワインやスピリットを売ってない。

「ワイン欲しいんですけど」と言ったら、

ニューヨーク州では、ビールはスーパーで売っているが、
ワインやその他のお酒は許可証のある専門店しか
扱えないんだそうで、ここのスーパーにはないとのこと。

しかも、その専門店でも日曜日は売ってはいけないらしい。

それはお酒を売る→酔っ払いが問題や事故を起こす→
警察が呼び出される→日曜日に警察や市民が休めない

からダメ!

という理論なのかな??


※3月4日 追記

この記事を呼んで下さった知識人の読者様より、
日曜日に酒類が販売されない理由を伺いました。

この習慣はなんと、アメリカを建国したピューリタンたちの
安息日の考え方から来ているのだそうです。

日曜日には全ての娯楽、商売、労働をせず崇拝に
専念する…というのが安息日の意図です。

こういう、思想的なものが経済活動に優先して
実行されるところが、この国は粋なのです!

※追記おわり



でも確かに、あんなにたくさんの酔っ払いが日常的に
駅や道端で醜態をさらしているのは日本くらいだ、
という話を、女子会でしておりました。


フタの空いたアルコールを持ち歩くこと禁止。
酒瓶が見える状態で公共の場に出ること禁止。
バーやレストランから酒をテイクアウトすることも禁止。

厳しいですが、治安維持には効果があるのだと思います。
なかなか日本では産業保護や税収の観点から難しいでしょうが。



::::最近のコメ::::