December 11, 2019
【ほんYONDA】罪の声
さてハッピー廃人ライフを始めたとたん










精霊のしわざのように、
テレビが壊れました。
リモコンが突然効かなくなり
チャンネルを変えようとすると
電源が落ちる。
しばらくすると、勝手にテレビが付き
また失神したようにプツっと落ちる。
何ですか、これは。
廃人対策の視聴制限機能を
つけたんですか、パナ◉ニック。
それか、座敷わらしだな。
座敷わらしが私の廃人生活を
阻止しにこの家に来てるんだ。
その方が信憑性がある。
実際、この不可解な症状が
出続けていたのは半日くらいで
現在は元に戻っているのですが
私はなんか気味悪く感じて
少し距離を置きたくなりました。
どうやら旦那もそう考えたと見えて
我が家の急速な阿片窟化は一旦
収まることになったのであります。
そこで退屈な切迫早産妊婦の
いつも変わらぬ強い味方、
「読書」が健康的に市場を席巻。
保育園の前の本屋で平積みされていた
塩田武士 氏著「罪の声」読みました。

恥ずかしながら、この作家さんの
著作を初めて読みました。
私と年齢が1つしか違わない事にも
興味を引かれましたし
数々の受賞歴、来年映画化する事からも
外れないと期待して手に取りました。
1983年、84年頃に起こった
戦後最大の未解決事件、
「グリコ森永事件」。
それがモデルだと明白に分かる書き方だが
固有名詞は全て入れ替えて、この話は
フィクションです!とキッチリ線引きがなされ
新聞社出身の著者の
イズムか責任感か何かそういうものが伺われ
余計な誤解をする心配なく作品世界に
没頭して読み進めて行けるのですが
面白いのは
本家「グリ森事件」で報道された内容を
発生場所や時間、脅迫状文面など
正確にトレースして使っており
未解決のまま時効になった事件の
一見バラバラの実際のピース同士を
フィクションで繋いで補完する作り方。
なに、この職人芸。
フィクション部分も妙にリアリティがあり
「これが事件の真相なんじゃないか」と
読者に思わせてしまう巧みな筆致。
そしてそんな風に、
こちらの認識が曖昧になったところで
ラストの急展開。涙が止まらない。
とまあ、見事な落とし方なんですよ!!
時効から随分時間が経った今でも
謎に包まれ人々を惹きつける
グリコ森永事件。
その事件についてリアルタイムでない
我々下の世代が興味を抱かせられ
さらに当時の世相や思想にも関心と
問題意識を持たせてもらえた
意義深い作品だと思います。
廃人化している場合じゃないよ。
もっと社会に目を向けて。
と言われた気がしました。









読むのは遅い私ですが
寝る間も惜しんで読み続け
大作を1日ちょっとで読了。
最近、妊婦特有の不眠に悩んでいますが
昨日はほぼ徹夜したから
今日はよく眠れるだろう。