えんためかんけい

November 17, 2023

画面越しでないことの意義

ご無沙汰しております。


たのしく資格浪人しつつ
月一本の舞台をやっています。
(いいのか!受験生!)

大衆演劇のあとは
・キッズミュージカル
・市民参加劇
・PTAイベント

やりました。

どれも性格や気遣いポイントが違って、
どれもやり甲斐のある楽しい現場でした。
幸せ者です。

その中でとりわけ感慨深かった
PTAイベントについて
色々考えて書き残そうと思って
久々の更新に踏み切りました。


私は今年長女が一年生になりましたが
かねてより興味のあったPTAに立候補し
高倍率勝ち抜いて当選し、役員やっています。
(くじ運、つよい。)

一年生でサッサと終わらせてしまうのを
希望する父兄は多いようですね。

私は早く父兄の友達作りたくて立候補。
時間がある年にやると良いとも
聞きましたしね。
それなら浪人生の今年は最適です。

目論見通り、5人の役員チームはとても
良い方々で、すっごく仲良しになりました。
学校側との摩擦は多少感じるものの
とても楽しいですね、PTA。

まそれはさておき。


ここの小学校では、一年に一度、
各学年ごとに、PTA主催で
イベントやるんですね。

中身は役員の自由です。

今年の役員は全員、第一子だったため
PTAイベントって何!っていう所から手探り。

さらにコロナでここ3年ほどイベントが
無かったので、資料もなく、
良くも悪くもお任せという感じでした。

そこで、市の芸術文化会館の力を借りて
プロミュージシャンを呼んで来てもらい
親子コンサートをすることにしました。

芸文スタッフさん達の勧めで
サクソフォンとピアノのデュオに決まり
役員の父兄も一生懸命に数ヶ月準備して
舞台照明あり、豪華ケータリングありの
武道館さながら白熱のライブになりました。
(小学校の体育館です。)

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(加工しまくってます)


で、紹介したいのは子供達の反応。

2週前にセットリストをもらったところ、
馴染みのあるアニメソングを少し入れつつ
大半が子ども達の知らない曲が選ばれていた。

はじめ、大丈夫かなと思ったんですよね。
知らない曲が続いたら、飽きるだろうなと。
集中力キレキレになって、
席とか立っちゃうんじゃないかな。
だって一年生で、隣に親がいたら甘えるし。
普段YouTubeばっかりで、
飽きたらどんどん「次の動画」に行っちゃうし。


しかし予想はまったくの大はずれでした。


奏者さんは、一年生にもわかりやすく
サクソフォンという楽器の奏法や魅力を
一つずつイラスト付きで楽しく説明しながら
次にそれを裏付ける楽曲を聴かせてみせ
楽器を初めて見る子供たちを魅了して行った。

子供達は大騒ぎしながら
奏者と笑い合い、
奏者からの問いかけに、
どういうことかな?と頭をひねりつつ
自分なりの答えを見つけていく。

知っている曲なら自然と大合唱。
知らなくても世界観に酔っている。


それを見ていて、

ああ、これは
動画コンテンツではできない体験だな、
と思ったのです。


ぜんぶが「自分ごと」になる体験。



動画は、一昔前なら知り得なかった
高難易度テクニックが気軽に覗けたり
一昔前ならラジオにリクエストして
やっと聴けてた聴きたい曲を
聴きたいタイミングで我慢せずに視聴できる。

それはそれで非常に豊かな
文化体験なんだけども

子供たちの持つ選択肢としては狭すぎるし
つまんなすぎる、と思うのです。



気軽に体験できるというのは裏返せば
聴く側は他人事、無責任にもなり得る。

自分の期待するコンテンツではないと
チラッとでも感じればすぐポイして次。

不特定多数に向けられたものだと
分かっていて、無責任な評価を下す。



収益構造が子どもには理解しづらいことも
他人事&無責任になる一因だと思います。

コンテンツは無料で楽しめるから
経済価値の低いものと区別がつかない。
空気や土のように、そこにあって当然で
処分も自由だろうと扱いが雑になってしまう。

広告主がスポンサーになって私たちの
代わりにお金を出しているから
成り立っているのだよ…と説明しても
それが責任者の意識には直結しないだろう。
かく言う私も意識できていませんし。


YouTubeの視聴は、
スーパーの試食コーナーに似てると思う。

レストランで自分の意思でメニューを
選んで注文して出された時に一口食べて
「なんか違うから他のと替えてくれ」
と言わないのは、

法律上の正義や常識もあるけれど
やっぱり「自分で選んだものに最後まで
取り組む責任感」って感じていると思う。
「作った人の誠意に応えよう」も、ある。

動画サイトの視聴ではその感覚が学べない。
視聴自体は私もとても好きですが
順番としてはレストランの感覚を
身につけた上で、試食コーナーに進んだ方が、

感激の多い人生を送れる気がします。
一生試食コーナーだけでも、
生きていけるのかも知れないけど、
なんかつまんないじゃない。


大幅に、それましたが


生演奏を聴く。

それって、逃げられない空間で
奏者と自分との対峙の中で

時に自分の知らないもの、
普段なら選ばないもの、
アルゴリズムから外れたものを
唐突に味わされ咀嚼したときに
未知なる魅力に遭遇する。


そういう体験だと思うのです。
絶対、持っていてほしい原体験です。
自分が紛れもない主人公になれる体験。


画面を見ている時のうつろな真剣さとは違う、
子どもたちの主体的なキラキラした眼をみて
私またPTAやらなきゃいかんなと
感じた1日でした。


こどもたちに
Passion
Tappuri
Activity 。
っていう意味なんだろうな。

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明日ダブル七五三です。
親は軽い結婚式くらい大変です。
頑張ります。

nanaibashi at 11:43|PermalinkComments(0)

June 26, 2020

サザン無観客ライブ参戦!

大好きなサザンオールスターズが
横浜アリーナで無観客ライブ配信を
やってくださいました!

チケットは3600円。
一部は医療従事者、医療機関へ
寄付されるという。

スマホで2時間の動画をみるために
このお値段、高いと捉えるか
安いと捉えるか?

私は、断然お買い得!と思いました。

横浜アリーナ、普通なら行けない。
3歳と0歳連れてライブ、行けない。
それ以前に大人気のチケット、取れない。

そして勿論、心意気。

サザンがこの有料企画を成功させれば
アーティスト、それに関わるスタッフの
苦境を救う新しいモデルケースに
必ず、なる。いや、する!という事!

その取り組みを応援したいし
それなりの演出になるはず、観たい!!

という事で発売日に即購入。
カレンダーに書き込んで楽しみに待ちました。

20時配信開始なので
20時から22時か…
夜型の子育て家庭では本来なら
やること目白押しな時間帯。

朝から周到に計画を練る。

17時に長女を迎えに出たら
イオンで買い出し。
おつまみやサラダや飲み物を買う。

ピザ屋さんにピザをオーダーしておき
店頭に受け取りに行く(と半額)。

ライブ中に長女がグズらないよう
あらかじめ説得&思い切り遊んでおく。

そして家族全員、風呂を済ませる。
上がるともう19時50分!
開演10分前まで自宅の風呂にいる不思議。


テレビの前にテーブルを出し
食事を並べて
スマホで視聴サイトへ接続、
テレビにミラーリング。

20時!
準備完了!


IMG_1651

待機画面のまま待つこと10分。

客の誰もいない横浜アリーナが映る。
ぼんやり客電がついていて
スモークが充満している、
ライブ前の雰囲気。
「本日は…」まさかの影アナウンス。

そしてメンバーが出てくると
観客の歓声のSE(効果音)。
こちらもそこで部屋の電気を消して
「客電アウト!」

そこからは、
「会場にいるかのような」臨場感を
とことん大切にした、
しかし無観客だからこそ出来る演出も
多用した、

絶妙なバランスを取りつつ熱のこもった
もう本当にプロの、見事な、2時間の
ライブステージ。


歌番組やライブDVDとは全然違い
音の作り方はゴツゴツした、
ボーカルとリズム、低音強めの
ライブ会場で大きなスピーカーの
前にいる時のようなバランス。

客席の椅子、出さなくても
良いのにな(仮設なんだから)と
思っていたけれどイヤイヤイヤ!

客席上空にもふんだんに照明をしこみ
客席の椅子にも無線照明をしこみ
客席全体がステージのような
なおかつそこに見えない客がいるような

今回限定感と臨場感を同居させる演出。
客席上空にドローンカメラが飛び交う。
危なくないもんね。人いないから。


誰もいなくてさぞやり辛かろう…
と心配していたが全く無用、

「アリーナ〜 スタンド〜
立ち見のお客さん〜 
画面の向こうのあなた〜」
と元気に呼びかけてくれる桑田さん。
子供も自然と手を振り返している。

歓声のSEだけでなくブーイングのSEも。
自然な盛り上がりをサポート。

(と同時に、途中、子供泣いたり、
授乳したり、こっちは好き放題。)


そして何と言っても、
スタッフへの気遣い。

普段のライブでは気配を消すように
仕事をしているスタッフですが

袖中や操作卓からのアングルのカメラに
あえて、働くスタッフを映り込ませ
エンドロールでは打ち合わせ、仕込み、
リハーサルまでどれだけのスタッフが
関わったか分かるメイキング映像も。

これだけの腕のある業界人たちが
ライブの再開、日常が戻るのを
臥薪嘗胆、耐え忍んで待っているよ…
というのを、伝えようとしていた。



すごいね、サザン。
愛ある人たち。

それを支えるスタッフさんたち。
応援しています。


セットリストはこちら↓
多分、私のような、コアじゃない
ファンが多く視聴するのに配慮した
ヒット曲オンパレードな選曲。
楽しかった〜ほとんど歌えたし。



チケットは配信終了時間まで購入でき、
累計18万枚売れたそう。

うちみたいに一つのチケットで
4人(新生児含む)観ても良いわけだから
推計50万人が視聴したと見られていて
WIN WIN WIN(主催・ファン・医療機関)
な企画。

もちろん知名度、集客力の
抜群にあるアーティストにしか
出来ないことなんだけど
間違いなくデカイ先例を作った。

コロナ後にも通用する
新しいライブの形では
ないでしょーか??

ライブで汗だくのくたくたになり
会場出口から出るのに何十分もかかり
満員電車に揺られて帰路に着く…
寝ちゃった13キロの子供を抱えて…

とか全てスキップして
アンコールから5分後に
涼しいベッドで絵本読む

なんてそれだけでも最高かよ!


コロナ以降わすれていた
音楽の力、大勢との一体感、
ひしひしと実感した
しあわせな夜でした。

デビュー42周年、
おめでとうございます。
これからますますファンになります。

明日からも、頑張れます。





nanaibashi at 03:52|PermalinkComments(0)

May 03, 2020

おうちで「ポンコツ港の水滸伝」

抜きました!

親知らず、やっと昨日、
抜きました!


前回の投稿のあと
痛みに悶えつつ受診したところ
化膿が酷く抜歯できず。

抗生剤でしばらく様子見て
腫れが引いたら抜こうということで
痛みに耐えること更に10日。

昨日無事に腫れが引いており
麻酔を打って一気にズバッと
抜いていただきました。

幸い真っ直ぐ生えていたようで
削ることも無く引っこ抜けました。
大きく根の長い、立派な臼歯でした。

下の歯なので傷も大きくて
縫合してもらいました。
現在また術後の痛みに堪えています。

痛いな、これ。
化膿の痛みに比べたら
気持ち的には明るく立ち向かえるけど。

カロナールを限界量まで使用中。

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本来なら溶ける糸で縫ってもらう筈が
コロナの影響で医療資材も管理され
思うように手に入らないそうで

普通の糸で縫ってもらい
また来週、抜糸。
抜歯の抜糸です。
長い戦いです。

でも妊娠中じゃなくて、良かった。



さて、皆さま
おうち時間、どう過ごされていますか?

動画鑑賞をされている方も多いはず。
そんな方々におすすめの一本!


2018年に脚本を書かせてもらった
東区市民劇団のミュージカル
「ポンコツ港の水滸伝」全編が
遂にYouTubeで公開されました!




公演を見逃しておいでの方
見てくださったけどおさらいしたい方
この機会に是非ご視聴ください。

昨年2019年が
新潟港開港150周年でしたので
その記念として上演されました。

昭和初期に実際に活躍した
新潟港の水先案内人たちを主人公に
架空の設定も織り交ぜた拙稿を

年齢層の幅広い市民劇団の皆さんが
ミュージカル活劇として
生き生きと演じて下さいました。


どうぞstay homeのお供に。



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最近は居酒屋さんのテイクアウトも
利用しながら少しでもおうちを楽しもうと
工夫しております。

おでんと焼き鳥、最強!
これで酒が飲めればね!(授乳中


nanaibashi at 14:39|PermalinkComments(0)

January 26, 2020

38週!観劇

なんだかんだで
まだ、出ません。

38週入っちゃった。


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先週より、すこしふっくらした
アプリの赤ちゃん↑

今日検診に行ったら
子宮口開き始めてて
2、3センチ。

赤ちゃんのあたま
すぐそこ!

と先生が言う割には
まだ陣痛こない。
意外と持つんですね。


ちなみに退院後
安産に向けて
鍼の先生の所に通ってますが


予言。


「28日に陣痛きます」


だそうで。



全面的に信じて
心穏やかに過ごしています。



さて、そんな中!
知人が関わっている、
観たかった芝居が千秋楽。

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60歳以上のシニア劇団による
歌って踊る「瞼の母」。

出産間近で少し迷いましたが
やっぱりどうしても観たい!
観劇を決行!

りゅーとぴあ能楽堂だから
何かあっても大丈夫。

(でも一応、通路脇の席を確保し
破水に備えてバスタオル敷き着席。)


シニア世代をもっと元気にするため
りゅーとぴあ主催で行われた
演劇ワークショップの発表会という
位置付けの公演だったのですが

結果からいうと、
これが、イイ!!!!
とっても見応えがあり
見所満載の公演でした。

IMG_0462
※写真、公開Facebookページより借用

芝居に挑むのは
60歳以上のシニアたち。
演劇好きの人も、初舞台の人も。

演技のクオリティはそれぞれです。
でもとにかく、全員が楽しそう。
そのことが何より心を打ちました。

画一的にせず個性を引き出す演出。
セリフを覚えられない俳優さんも
それを逆手にとって、手にも腕にも
カンペを貼り付けて笑いを取る。

滑舌に難あり、しかし人好きのする
キャラの俳優さんには
ストーリーに絡まない、しかし
とっても印象に残る箸休め役。

そしてメインどころは経験者の
堅実な方々が務めておられたので
筋はしっかり伝わり
目頭が熱くなるシーンも。

セリフと登場シーンの多い
主役の忠太郎は
堂々と二人の俳優のリレー形式、
シニア俳優の体力面も考慮。

それについては
笑いを交えて説明もあり
客も混乱せず受け入れ。



そして、シニア俳優のバックアップに
若手を交え技術に長けた「チンドン隊」。

IMG_0463
※写真、公開Facebookページより借用。

この方々がステージ慣れしており
テンポと空気を作ってくれたお陰で
安心して芝居に集中できました。
客席との連携もとって、完璧に補完。


また他の公演と違って驚いたのは
客席もほとんどシニア世代ということ。

広い劇場じゃなくて
距離感の近い能楽堂だったのも
バッチリ趣向通りでしたね。

シニアの客層は素敵です。
不必要に構えて観ないんですよね。

面白ければ大声で笑うし
周り気にせず拍手したい時にするし
乗ってくれば手拍子
知ってる曲が流れれば歌う。

きみまろの漫談ショーみたいに
来た人が公演を勝手に楽しくする。
客席みんなで元気になっちゃう感じ。

そこをよく理解して
客層まで考慮された演出でした。


「シニアが元気になれば
新潟はもっと元気になる!」

このコンセプトに全面的に賛成です。
それが随所に滲み出た、良い公演でした。


もうひとつ。
写真見てお分かりの通り
衣装が素晴らしかった。

ハイカラ和装。
芝居の内容、能楽堂の雰囲気に
合わせた和装でありつつ
ボリュームと遊び心がいっぱいの
大正っぽいハイカラテイスト。

美術を組めない能楽堂で
この高い衣装のクオリティは
全体のイメージ、満足度を
ダイレクトに引き上げていました。

何より俳優さん自身がこれ着て
テンション上がられたんじゃないかな。

この衣装の後藤さんが
私の知人なんですけれども
素晴らしい仕事をされます。
ほぼ、お一人で作られたとか。


今回は身体の動かない時期で
裏が手伝えず残念でしたが
また声がかかることを祈っています!


私の演劇をやる意義…
市民が元気になる演劇。
いつか手伝わせて下さいね。



チンドン屋さんの陽気な音に
お腹のマメ子も浮かれ踊っておりました。


さすがに出産前は
これが芝居納めでしょう。
よい締めくくりでした。感謝。


nanaibashi at 04:22|PermalinkComments(0)

December 11, 2019

【ほんYONDA】罪の声

さてハッピー廃人ライフを始めたとたん

精霊のしわざのように、
テレビが壊れました。

リモコンが突然効かなくなり
チャンネルを変えようとすると
電源が落ちる。

しばらくすると、勝手にテレビが付き
また失神したようにプツっと落ちる。

何ですか、これは。
廃人対策の視聴制限機能を
つけたんですか、パナ◉ニック。

それか、座敷わらしだな。
座敷わらしが私の廃人生活を
阻止しにこの家に来てるんだ。
その方が信憑性がある。


実際、この不可解な症状が
出続けていたのは半日くらいで
現在は元に戻っているのですが

私はなんか気味悪く感じて
少し距離を置きたくなりました。

どうやら旦那もそう考えたと見えて
我が家の急速な阿片窟化は一旦
収まることになったのであります。


そこで退屈な切迫早産妊婦の
いつも変わらぬ強い味方、
「読書」が健康的に市場を席巻。

保育園の前の本屋で平積みされていた
塩田武士 氏著「罪の声」読みました。

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恥ずかしながら、この作家さんの
著作を初めて読みました。

私と年齢が1つしか違わない事にも
興味を引かれましたし
数々の受賞歴、来年映画化する事からも
外れないと期待して手に取りました。


1983年、84年頃に起こった
戦後最大の未解決事件、
「グリコ森永事件」。

それがモデルだと明白に分かる書き方だが
固有名詞は全て入れ替えて、この話は
フィクションです!とキッチリ線引きがなされ

新聞社出身の著者の
イズムか責任感か何かそういうものが伺われ
余計な誤解をする心配なく作品世界に
没頭して読み進めて行けるのですが

面白いのは

本家「グリ森事件」で報道された内容を
発生場所や時間、脅迫状文面など
正確にトレースして使っており

未解決のまま時効になった事件の
一見バラバラの実際のピース同士を
フィクションで繋いで補完する作り方。

なに、この職人芸。

フィクション部分も妙にリアリティがあり
「これが事件の真相なんじゃないか」と
読者に思わせてしまう巧みな筆致。

そしてそんな風に、
こちらの認識が曖昧になったところで
ラストの急展開。涙が止まらない。


とまあ、見事な落とし方なんですよ!!


時効から随分時間が経った今でも
謎に包まれ人々を惹きつける
グリコ森永事件。

その事件についてリアルタイムでない
我々下の世代が興味を抱かせられ
さらに当時の世相や思想にも関心と
問題意識を持たせてもらえた
意義深い作品だと思います。

廃人化している場合じゃないよ。
もっと社会に目を向けて。
と言われた気がしました。





読むのは遅い私ですが
寝る間も惜しんで読み続け
大作を1日ちょっとで読了。


最近、妊婦特有の不眠に悩んでいますが
昨日はほぼ徹夜したから
今日はよく眠れるだろう。





nanaibashi at 20:30|PermalinkComments(0)
::::最近のコメ::::